緊急コラム「Zobiは東京芸大になぜ合格する?」(3)〈表現力を養うドローイング制作〉

2016/03/23

Zobi絵画科の最も特徴的なカリキュラムにこの「ドローイングゼミ」があります。
目的は大きく分けると2つ。
(1)構想力を養う。
(2)構成力を養う。
絵作りに必要な要素をこのドローイングで、少しずつ身につけていきます。東京芸大油画の入試における「絵画」では、構想力、構成力に加えて形態と色彩による総合的な造形表現能力が評価されます。これらの表現力を日常的に制作するカリキュラムとして行われますが、期間は約一年間。できるだけ春からスタートしてデッサンや油彩、着彩とほぼ並行して作業を進めていくのが理想的です。一枚の紙に、毎回自由に発想してイメージを描き続ける作業(なかなか伝わりにくいのですが)は、楽しみながら手を動かすことが自然と習慣化することへとつながっていきます。今春の現役合格した生徒は実際に「毎回の油絵制作前に、このドローイングを実施することでとてもいいウォーミングアップになった。」と話していました。
ドローイングに使用する画材も自由です。サインペン、マジック、ポスカ、パステル、オイルパステル、クレヨンなど様々ですが、これらの画材からも実際の油絵制作にも転用されていく場合もあります。
絵画制作に必要な構想力とは何かを一言で説明するのは困難です。ドローイングでは、与えられた言葉のイメージやモチーフの特徴をとらえつつ大胆に飛躍、発展させて画面に取り入れていく作業になります。それは単なるエスキース(下絵)を制作することとは大きく異なり、構想力や独自の発想力のきっかけになる画面を残していくことに近いかもしれません。
美術部の油絵や絵画制作などにもこうしたドローイングの体験はとても有効な練習だといえるでしょう。デッサンなどの基本とあわせて、常にイメージを自由に膨らませていける経験値をこのドローイングゼミを通じて確実に増やしていけるでしょう。

〈美術史を学ぶことの重要性〉
あまり知られてはいませんが、Zobiでは毎週土曜日絵画科志望者を対象に「美術史ゼミ」が開講されていました。このゼミでは「原始古代~現代までの美術史」をダイジェストで学び、多くの画像資料にふれることができる授業でした。合格した浪人生も現役生もこの授業でのメリットを次のように話しています。「色々な画家の作品を見ることでダイレクトに自分の絵にも応用できた。」「自分自身がどういうタイプの作品が好きなのかがわかった。」これらの感想からもわかるように、単なる講義としてではなく、自身の制作にも応用できる大きなヒントとなっていることが重要なのです。特にいまの高校生は、美術や絵を描くきっかけがゴッホやピカソではなく、身近にあったマンガやアニメだったということがよくあります。だからこそ実技や絵画制作を本格的に学ぶ美大受験のタイミングで、美術の歴史や作品にふれる機会というのはとても貴重な体験になるのです。多くの画家やアーティストは、様々な経歴やエピソードを持っているものです。このゼミの最大の狙いは楽しくアートにふれることと同時に、受験生一人一人の制作にすぐに役立つ「参考資料」を収集できることにあるのです。
制作や入試実技に直接結びつかないようにみえる「美術史」。その中身は、実は受験生にとってまさに個性を探す道標となる作品と出会うことのできる授業になっているのです。

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